マネージャー観戦記

2003年9月 プロ野球公式戦 中日-阪神戦 思い出の北陸本線旅情
桧山とアリアスのアーチ競演にナドヤドームが揺れる

 名古屋駅のホームに立つのは初めてだなと感慨にふけりつつ私はナゴヤドームへ直行するべく足早に地下鉄のホームへ向かいました。(この地点でどこにそれがあるのかは知らない・・・) 
ホームから中央コンコースに出たが、やはり今ひとつ勝手がわかりません。

とりあえず地下鉄路線図を見つけて地下鉄でナゴヤドームに本当に行けるのか確認しました。
するとどうやら途中で乗り換えねばならないようです。
まず現在地の名古屋駅から地下鉄桜通線を瑞穂方面行きに乗って、久屋大通駅で下車して名城線に乗り換えだそうです。
名城線は環状線なのですが、久屋大通からだとナゴヤドームへは時計回りに向かいます。(大曽根方面)
そして電車にゆられつつ時計を見ると午後三時を過ぎています。
本日の中日-阪神戦はデーゲームで、午後三時開始の試合は始まっているはずです。
あせりはしませんが、やはり試合は最初から見ないと切符代がもったいないなぁと、出発時間が遅かったことを後悔しました。

そうこうしているうちにナゴヤドーム前矢田駅に到着しました。
先ほども述べたようにとっくに試合は始まっているので降りる人は少ないです。そしてホームから地上に出ました。
しかし辺りを見回してもドーム球場は見当たりません。
ナゴヤドームへは駅を出て東側の車道を渡ると高架の歩道があるのでそれがナゴヤドームへ続いているのです。
さらに地下鉄駅の上には高架のバス専用道路が走っています。
とりあえず歩道に上がると遥か南にナゴヤドームが見えます。(実際駅からおよそ400メートル)
試合中なので人通りのほとんどない中をてくてくと歩いてドームへ向かいました。
途中にはスポーツセンターと図書館が一緒になった施設があり、市民の憩いの場となっているようです。

高架歩道なので周りの市街地を見渡しながらあるくこと10分足らずでついにナゴヤドームへ辿り着きました。
球場入り口の周りには人が結構いるなと思いつつ切符売り場に行くとなんと当日券は売り切れていました!
やはり阪神フィーバー恐るべし・・・
仕方ないのでその辺にいたダフ屋から一番離れた五階席の切符を買って入場しました。

超満員の球場に入ると物凄い熱気がいきなり私を包みました。通路にも人が溢れかえっています。
通路からスタンドの入り口を覗くと阪神の応援しか聞こえません!
歓声が響き渡る中、階段を五階まで上り、スタンドに出ました。かなりグラウンドが遠く感じられます。
私が出た所は一塁側外野寄りですが、空き席はなさそうなので、一塁ベンチ側へ回りました。

ようやく空き席(最前列)を見つけて座り、マウンドやバッターボックスを見下ろすような形で観戦に入りました。
丁度阪神三回表の攻撃中で試合は3対2で中日の1点リード、マウンドには中日の投手紀藤、打席には桧山が入っています。
阪神ファン(おそらく観客四万人のうち三万九千人)が一斉にメガホンを振って声援を送ります。
なかなかに壮観です。これだけの人数がが同じ動作を繰り返しているその威容に圧倒されます。
そして打席に視線を戻した瞬間、1ボールかららの2球目、桧山のバットが一閃しました。
打球はライト福留の頭上を遥かに越えてライトスタンドに飛び込みました。
阪神同点に追いつきました!
阪神ファンは総立ちで狂喜乱舞し、そのあまりの衝撃の大きさに私のいる五階席は揺れに揺れました。
しかし当の桧山本人は悠然とベースを一周しています。この辺りはさすがに落ち着いています。

阪神ファンの応援がますます過熱する中、続いてアリアスが打席に入ります。
プレッシャーのかかる中、紀藤がいきなりボールを2球続けます。
そして3球目のストレートが真ん中に入ってしまいました!
これを本塁打王を争うアリアスが見逃すはずがありません。
まるでゴルフのドライバーショットのような打球はライナーでレフトスタンドへ突き刺さりました。

 

〜中編〜